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中村 武彦; 笹島 栄夫; 更田 豊志; 石島 清見
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(12), p.924 - 935, 1996/12
被引用回数:11 パーセンタイル:68.15(Nuclear Science & Technology)原子炉安全性研究炉(NSRR)では燃焼の進んだ軽水炉燃料の反応度事故時挙動を調べるパルス照射実験を実施している。同実験では、未照射燃料での実験結果に比べて非常に大きい被覆管の周方向変形が観測され、最大約10%に達した。燃料ペレットの熱膨張のみを考慮する現状の軽水炉燃料挙動解析コードでは、この変形を1%以下に過小評価する。また、これらの実験では核分裂ガスの放出も最大22%に達した。これらの実験結果を記述するため、結晶粒界に蓄積された核分裂ガスがパルス照射により加圧され、結晶粒界割れを起こし、被覆管を変形させるモデルを開発し、燃料挙動解析コードFRAP-T6に導入した。結晶粒界割れを生じさせたFPガスは、実験初期には燃料内に留り被覆管の変形を生じさせ、その後放出されるものとした。この変形モデルは、未照射燃料の熱膨張モデルとして検証されたGAPCONモデルと併用することにより、照射済燃料を用いたENSRR実験結果を良く再現した。
石島 清見
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(2), p.81 - 92, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.48(Nuclear Science & Technology)反応度事故条件下における被覆管過渡変形の測定をNSRR炉を用いて試みた。実験では常温常圧の水を封入したカプセルに歪ゲージを接着したPWR型の試験燃料を収め、パルス運転により急速加熱した。その結果、ペレット-被覆管機械的相互作用(PCMI)による被覆管の周方向歪を歪ゲージを用いて測定することに成功した。用いた歪ゲージは一般鋼用であったが、温度補償に対し適切な補正を行えば、ジルカロイに対しても使用できることが知れた。また、歪ゲージによる測定データは燃料破損挙動解析用コードの燃料変形モデルの検証に非常に有用であること、および予備解析の結果、GAPCON-THERMAL-1コードのペレット変形モデルが反応度事故条件下における燃料棒変形の予備に対し優れていることが明らかとなった。